2011年09月09日

○X印は正誤との認識は外国では通用しない!。 Xはどうして未知のものになったか?

最近外国で長く暮らしていた人と学校関係の話していたら、どうもテストの答案の書き方で違いがあるらしいのが分かった。日本では試験で○X式で答案を書く問題がありますね。しかし諸外国では必ずしも○は正しい、Xは間違いとは認識されていないようです。

○とXどちらにしますか? ○は正しい?Xは間違い?

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さてマルバツ「○×」の使い方ですが、欧米でてはチェックマーク✔とバツXでの正誤表記が多く、しかも必ずしもこの書き方が統一されていない。正しいだけチェックマーク✔で間違いは何も表記しないなどいろいろです。他の諸国も日本のように○は正でXは誤りと統一的に認識の国はあまりないようです。

ちょっとここでマルバツ「○×」は英語ではなんというか調べてみました。、「○×」は英語では"circleとcross"で、チェックマーク✔とXは"tick(checkmark)とcross"です。これを動詞として使うと「円で囲む」と「バツ印をつける」の意味になります。"circle"の語源はラテン語のcircus"(輪、円)からで、、英語の"search"(捜索する)も古いフランス語の調べて回るから、英語の"seach"になったとのこと。一方"cross"(バツ)は、ラテン語の"crux"(十字形)が語源で、「クルーズ」(船旅)"cruse"も"cross"横切る意味から派生した言葉だそうです。

台湾ではテストにおいては、正しいのにチェックの✔もしくはXを入れて、違いには○つけるそうです。これでは日本と逆になりますね。台湾では○は問題があるもの、チェック✔は正しいものということを指すらしい。このへんのことは下記のページで確認ください。

台湾の答案の例

http://blog.goo.ne.jp/szyu/e/082cb7981f0cbee42feca6e19772cb7e

チェックマーク✔(レ点とも言う、checkmark, tick)の起源は、古代ローマ時代のラテン語の名詞"veritas"の頭文字"v"に由来するとされる。"veritas"は「真実」「正直」「誠実」「公正」「正確」といった意味を持つ言葉であり、これが「認証」の意味を持つようになり、頭文字Vから書きやすいチェックマーク✔になっていったようです。またチェックマーク✔は「確認した」との意味に取られ、一部欧米では間違いにもチェックマークが使われるそうです。なお日本の「レ点」は漢文の返し点からのもので「レ」に似ているからなのですが、チェックマークは✔のように"V"を右に長く伸ばしたもので「レ点」とは形が違いますが、便法でチェックマークを「レ点」と呼ぶ人も多いようです。

外国で書類にサインを求められるさいに書類を見ると、その個所が「X印」で示されることがあります。「○」は「正しい」であり、「×」は「誤り」の意味として日本では認識しているので、これを見たときはなんのことかと驚くことがあります。これは、「X印」はここですよと位置を示す意味があるのです。またこのごろはIT化で、□の中に「レ点」か「X」を入れる方式が増えています。海外旅行の際に書く「入国カード」などもそうですね。○×そのもので記入するものはあまり見ない。

入国カード(例) □に✔で表示する。

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はい、いいえのような場合でも✔で選択する例。

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日本では戦国時代あたりから、キリシタン関係の書物に「○」の活字が見られた。ただし、段落・文の始まり、箇条書きを示す、句点代わりに使われたもので、「正しい、可」のような意味はもたなかったらしい。キリシタン書物の中の記号では、「十字架記号」はあったが「×」はないようです。

江戸時代になると書籍などの中で、○、△(◎●なども)が箇条書きの見出し、文の区切りなどとして使用されていました。文中で目立たせる印として使用ようです。 それが次第に○は丸くて完全、円満から正しい、良いの意味するようになっていったのです。Xは罰点からバツになり間違い、良くないの意味が付いてきました。

ところで物事の評価や順序を表す「◎○△● X」ですが、これまた日本独特のものです。

「◎○△」の始まりは大正時代の小学校の通信簿からしい。

◎:とても良い
○:良い
△:もう少し


上記の印での評価が当時の通信簿につけられていたようで、それが次第に競馬予想の本命、対抗、穴の印としても使用されました。使われ始めは馬券発売が復活した大正の終わりでした。

競馬新聞の本命、対抗などは◎○△▲で評価して表示する。

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さて「X」にはもう少し面白い話がります。「X」には未知のもの、わからないもの意味がありますね。"X-Day"とか"Mr.X"とか日常でも見聞きします。では「X」がどうして未知のものになったのでしょうか?

未知のものに「X」(エックス)を使うようになったのは、「我思うゆえに我あり」の言葉で有名な、17世紀前半の哲学者であり科学者の「デカルト」だそうです。 そのころは未知数を示すような記号がなかったので、論文などを書く時にわざわざ「未知の。。。」と書かなければならず、面倒で時間を取られたそうです。それである論文の中で「以下、未知数はX、Y、Zで表す」と断って、「X、Y、Z」で論文を書き通しました。そうしたら、デカルトのような偉大な学者がやっていることだからとして、皆が真似だして、その後未知のものは「X」と表すのようになっていったそうです。

未知のものをXで表記したデカルト

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未知を表す「X」からいろいろな言葉が生まれました。

例えば"X-ray"(X線、レントゲン線)。 ドイツのレントゲンが1895年に発見し未知のもので"X-ray"とした。"X染色体"。"座標軸X/Y"。野球で9回裏に点を入れて打ち切りのさよならゲームは"1X"と表示するなどです。

X-rayを使ったレントゲン撮影。

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ところで1,2,3,4,5を"I, II, III, IX, V"と書くローマ数字で10は"X"ですね。ちなみに50は"L"で100は"C"、500は"D"、1000は"M"です。

数学の「X」の筆記体は変な書き方をしますね。「)(」のような感じに数学の先生は黒板に書きます。どうして「X」と書かないで「)(」と書くのでしょうか?これはギリシャ文字の「カイ」"χ"や「掛ける」"x"と区別するためです。"b"も数字の"6"と混同しないため筆記体で書いています。

数学のXの筆記体

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そうそう筆記体で思い出しました。皆さんは今、学校の英語では筆記体を教えていないのを知っていますか?何と今、中学校の英語の時間では「筆記体を特に教えなくてもよい」ことになってるらしい。2000年の中1生より筆記体は習っていないそうで、今の24才位から若い人は筆記体が書けない人が多いようです。ネイティブスピーカーは、もっと以前より筆記体を使わない人が多いようです。これはやはり「IT化」が関係しているようで、日本ではさらにゆとり教育で時間が少なくなったせいもあるらしい。

アルファベットの筆記体を書ける人が段々少なくなってきました。

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単なる記号の○X✔でも国により意味することが違って、外国で急にこのような記号を付ける場面に遭遇すると、間違いそうですね。今のところそのような場面に会わなくて良かったと思っています。
ラベル:豆知識 英語 語源
posted by hamaten at 19:32 | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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